俺ひとり

独身主義を貫く俺ひとりが日常をハードボイルドに切り開くブログ。

優待乞食

俺ひとりは専ら米国株に投資しているが、日本株投資のトレンドとして、株主優待を狙った優待投資に勤しむ学派がある。これは最初、有閑マダムたちがカゴメなどの身近な優待銘柄を購入する事で静かに始まり、マツコデラックスの月曜から夜更かしなどで優待投資家の桐谷さんが取り上げられた事で一気にブームとなった。


優待銘柄は各社の商品やサービス利用券、あるいは米やQUOカードなどが配当とは別に年に一度、株主に送られて来る。こうしたお歳暮的な楽しみが、日本人の心性に合っているのだろう。


だが、こうした株主優待制度は世界的には異質な存在であり、海外の投資家からの評判はすこぶる悪い。というのも、優待はあくまで日本国内の投資家に限られ、海外には発送されないからである。米国はじめ海外の投資家の感覚からすれば、商品なんてくれなくていいから、その分、配当を増やしてくれよ。そうしたら自分で好きなもの買うから、という感覚で、まったくその通りの主張だと思う。


米国株投資家は概して理論家が多いため、日本株の優待投資家には冷ややかで、彼らの事を優待乞食と揶揄する人もいる。言い得て妙だが、俺ひとりは必ずしも優待投資家を否定しない。普通、配当などは株数に比例してインカムゲインが増える。しかし、株主優待は個人株主を増やす事を目的としているため、最小単位のリターンが最も多く、その後は株数に比例して優待が増える訳ではないのだ。


例えば、1000株以上の株主に米3キロが貰える優待銘柄の場合、5000株以上の株主には米5キロとなったりするのだ。だからこの場合、最も利益率が高くなるのは1000株の小口株主となるという、資本主義の常識とは真逆なまさにガラパゴス日本を象徴する制度といえる。


まあ、これは日本人投資家の投資リテラシーの低さを反映した結果、現在こうなっている訳であり、日本人として恥ずかしい事ではあるが、それはそれとして、目の前に転がっている利潤追求のチャンスを逃さず追求する事が正しい投資家の在り方だと思う。従って俺ひとりは、最小単位ずつ優待銘柄を買い集めるならば、それは経済学的にも正当化されるという立場である。